私のリズム-自分らしい服、ジブン- 大日方久美子

自分らしく生きることは、自分らしく仕事をすること。自立した女性が日々どんな風に暮らし、どんな風に仕事と向き合い、そして、どんな服を着るのか。その暮らしの“リズム”を追うことで、大人の女性がより輝くための秘密を探ります。

今回ご登場いただくのは、テレビ番組への出演などもしている、パーソナルスタイリストの大日方久美子さん。今の仕事をするようになったきっかけからそのやりがい、そしてプライベートの過ごし方まで、毎日を自分らしく過ごすためのライフ・ワーク・バランスについて、お話を伺ってきました。

大日方久美子

某ファッションブランドの店長を経て、2013年よりパーソナルスタイリストとして独立。服の値段にかかわらずエレガントでスタイリッシュな着こなしを提案するインスタグラムが話題を呼び、6万人のフォロアーを抱えるまでに至る。現在はアパレルブランドのウェブサイトでスタイリングやモデル、イベント企画なども手がける他、2016年4月には初となる著書「"エレガント"から作る大人シンプルスタイル」を発売するなど、多方面で活躍中。

パーソナルスタイリストという職業にたどり着くまで。

最初は、あるファッションブランドの店長として、店頭に立っていました。目の前のことをひとつひとつ丁寧にやろうと、とにかく一生懸命でしたね。 そのブランドはとても特徴的なデザインの洋服が多くて。刺繍やビーズがたくさん付いている、ちょっと個性的な雰囲気で、普段着として合わせるのは少し難しかったんですよね。だから、お店の中にある商品だけでコーディネートを提案して売る、っていうことはしなかったです。いつも来て下さるお客様に合いそうなトップスがあったら、それに合いそうなボトムを他店で探したり。普通に売るのはちょっと難しいアイテムでも、そんな風に提案することで、喜んでいただくことができました。

他店の商品など、日々いろいろなものを自分の目で見て、たくさんの情報を取り込んでいくと、街を歩いているだけで自然とお客様の顔が浮かんでくるんです。「あっ、これはあの方に似合うだろうな」って。そうやって、お客様ひとりひとりに一番似合うコーディネートを探し続けていました。今思えば、それが私の心がけている「人に寄り添ったトータルコーディネート」の原点なのかもしれません。

大日方久美子さんにとっての仕事とは。

会社員だった時は、「仕事をしているんだ」っていう気持ちが強かったです。とにかく一生懸命やってはいたんですけど、結局は与えられている仕事をやっていただけで、それは会社員として当たり前のことなんですよね。でも今は、自分で仕事を取ってこなければいけないんです。会社が売り場を用意してくれるわけじゃないですから。

企業から依頼される仕事もありますけど、それは私の本来の居場所ではないと感じています。もちろん、仕事をいただけることにはとても感謝しているんですが、そういうお仕事って私の仕事というよりは、私を通して何かを伝えたい人がいるから依頼されるものだと思うんです。だから、依頼主がどこを目指しているのか、どんな人に届けたいのか、そして私には何を求めているのかっていうことをちゃんと把握したいんです。

でも、個人の方をスタイリングすることは、私の仕事って思える。業界人になりたいわけでもないし、モデルになりたかったわけでもない。やっぱり私は、“パーソナルスタイリスト”なんです。誰かに寄り添って、リアルな声が聞こえる現場がすごく楽しいし、やりがいを感じます。

仕事とプライベート。
ライフとワークのバランスが大事。

つねに仕事でどんなことができるかを考えていますけど、それでも私の生活の中心は、仕事以外のところにあります。

すごく一生懸命仕事に取り組む分、その反省で、家に帰ってからもの凄く落ち込んだりすることも多くて。だから週末は、余計なことを考えないで済むよう、千葉の海に行きます。週末を過ごす家があるんですよ。

そこでリフレッシュして、また月曜日を迎えます。近くにコンビニもスーパーもない不便な生活なんですけど、職場である都会とまったく違う場所とを行き来することで、気持ちを切り替えられるんですよね。そんな生活をここ数年送っていて、それが私の大事なライフワークになっています。

その時間の中でも特に一番大事なのは、愛犬、そして彼と過ごす時間。それとビールです(笑)。私、彼の好みに合わせて洋服を選んだりもするんですよ。

仕事の時は仕事、プライベートな時はプライベートとしっかりONとOFFを付けることで、私という人間は成り立っています。